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金正日も三代世襲に否定的だった。ではなぜ…

北朝鮮の特徴的な内部的な要因があった シリーズ!脱中国を図る北朝鮮④

三代世襲を「物笑いの対象」

 このようにして金正恩は、正式に党・国家・軍の三権を握る最高指導者にな
りました。

 同年7月17日、党中央委員会などの決定によって金正恩は、朝鮮民主主義
人民共和国元帥の称号を授与されました。

 その一方で金正男氏は当時、父親の金正日氏の後継問題について『東京新聞』の五味洋治記者の取材に対して、三代世襲を「物笑いの対象」とまで批判しています。

 その上で同氏は、世襲は「社会主義理念にも符号しない」として、「世襲のため、北朝鮮は国力が落ちてしまうとの懸念がある」と断言しています。もっとも金正日自身も、三代世襲には最も否定的で、「息子には権力を継がせない」と繰り返し述べていたと言います。

 それにも関わらず、三男の金正恩が権力を継承したのは、北朝鮮の特徴的な内部的な要因があったと、金正男氏は述べています。

(『北朝鮮の終幕』より構成)

〈シリーズ!脱中国を図る北朝鮮⑤は2日後に配信します。〉

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田中 健之

たなか たけゆき

 昭和38(1963)年、福岡市出身。歴史家。日露善隣協会々長。拓殖大学日本文化研究所附属近現代研究センター客員研究員を経て、現在、岐阜女子大学南アジア研究センター特別研究員、ロシア科学アカデミー東洋学研究所客員研究員、モスクワ市立教育大学外国語学部日本語学科客員研究員。 昭和58(1983)年に中国反体制組織『中国の春』の設立に関与し、平成元(1989)年6月4日に生じた天安門事件を支援、亡命者を庇護すると共に、中国民主運動家をはじめチベット、南モンゴル、ウイグルの民族独立革命家と長期にわたって交流を重ねている。 平成3(1991)年、ソ連崩壊と共にモスクワに渡り、ロシア各界に独自の人脈を築く。 一方、幼少より玄洋社、黒龍会の思想と行動に興味を抱き、長年、孫文の中華革命史およびアジア独立革命史上における玄洋社、黒龍会の歴史的、思想的な研究に従事、それに基づく独自の視点で、近現代史、思想史を論じている。 玄洋社初代社長平岡浩太郎の曾孫に当たり、黒龍会の内田良平の血脈道統を継ぐ親族。 著書に『昭和維新』(学研プラス)、『靖国に祀られざる人々』(学研パブリッシング)、『横浜中華街』(中央公論新社)、『実は日本人が大好きなロシア人』(宝島社)その他、共著、編著、雑誌など多数。



 


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